取引先からファイルを受け取るいちばん簡単な方法は、ファイルリクエストのリンクを送ることです。相手はアカウントを作らずにWebページにファイルをドロップするだけで、アップロードが終わるとあなたに通知が届きます。メールの容量制限も、「アクセス権をリクエスト」のやり取りもなくなり、送られてきたものが1か所に集まります。
フリーランスや小さなチームの多くは、いまも手間のかかる方法でファイルを集めています。何通にも分かれた添付メール、相手が開けない共有フォルダ、メッセージアプリで送られて画質が落ちた写真。この記事では、ファイルを受け取る方法を比較し、一度で使えるファイルを送ってもらうための頼み方と、コピーして使える依頼文を紹介します。
ファイルを送るより受け取るほうが難しい理由
送るときは自分で手段を選べますが、受け取るときに選ぶのは相手で、相手は知っている方法を使います。たいていはメールで、1通あたり約10〜25MBで止まります(ドコモメールは約10MB、Gmailは25MB。詳しくは「メール添付の容量上限」)。あるいはチャットアプリで、写真や動画が軽く変換されてしまいます。解決策は、受け取る手段を自分で用意することです。リンク1本、受け取り場所は1か所で、相手に選ばせません。
ファイルを受け取る方法を比較
| 方法 | 相手にアカウントが必要? | 容量の上限 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| メール添付 | 不要 | 多くのサービスで1通約10〜25MB | 小さな書類を1〜2点 |
| クラウドの共有フォルダ(Google ドライブ、OneDrive) | アップロードには必要なことが多い | 自分の保存容量 | 継続的な共同作業 |
| Google フォームのファイルアップロード | 必要(Googleアカウント) | フォームの設定しだい、自分のドライブを使う | 項目の決まったフォームと少数のファイル |
| Dropboxのファイルリクエスト | 不要 | Basic・Plus・Familyは1ファイル2GB | Dropboxを使っている人 |
| Transfrのファイルリクエスト | 不要 | 1回のアップロードで100GB | 大きなファイル、相手を選ばない |
| 顧客ポータルのソフト | ほとんどの場合必要 | さまざま | 長期の案件を持つ制作会社 |
Googleのヘルプによると、ファイルアップロードの質問に回答するにはGoogleアカウントへのログインが必要で、ファイルはフォーム作成者のドライブに保存されます。Dropboxのファイルリクエストはどのプランでも、Dropboxアカウントを持たない人がアップロードでき、Basic・Plus・Familyプランでは1ファイル2GBまで、ファイルは自分のDropboxの容量を使います。
ファイルリクエスト(アップロード用リンク)とは?
ファイルリクエストは転送の逆です。ファイルをアップロードしてリンクを送るのではなく、リンクを作ってファイルを持っている人に送ります。相手はどのブラウザでもリンクを開いてファイルを追加し、ファイルはあなたの元に届きます。よいファイルリクエストには次の条件がそろっています。
- 送る側にアカウント不要:クリックしてアップロードするだけ。
- 十分な容量:RAWデータ、動画素材、デザインデータもそのまま届く。
- タイトルと説明:アップロード画面に表示され、何を送ればよいかがひと目でわかる。
- 通知:届いたら知らせてくれるので、確認しに行く必要がない。
- 管理機能:パスワード、有効期限、受付件数の上限を必要に応じて設定できる。
Transfrで取引先からファイルを受け取る方法
Transfrのファイルリクエストは1回のアップロードで最大100GBまで受け付け、アップロードする人にアカウントは必要ありません。リクエストを作るあなた自身もアカウントなしで始められ、名前とメールアドレスを入力すれば、届くたびに通知を受け取れます。
ステップ 2
オプションを設定する
機密性の高いファイルならパスワードを設定し、リンクの有効期限を選び、必要なら受付件数を制限します。
ステップ 3
リンクを共有する
リンクやQRコードをメール、見積書、プロジェクト管理ツールに貼るか、Transfrから最大10人にメールで直接依頼します。
ステップ 4
通知を受けてダウンロードする
誰かがアップロードするたびにメールが届きます。ファイルは元の品質のまま届き、7日間ダウンロードできるので、早めに自分の保存先に移しましょう。
ファイルリクエストを作成
相手は登録なしで、最大100GBまでアップロードできます。
一度で正しいファイルを送ってもらうための頼み方
遅れの多くは、違うものが届くことから生まれます。ロゴのデータの代わりにスクリーンショット、元の写真の代わりに圧縮された写真、編集できる文書の代わりにPDF。リクエストの説明には、次のポイントを書いておきましょう。
- ファイル形式を具体的に:「ロゴはJPEGではなくSVGかAIで」「LINEで受け取った写真ではなく、カメラやスマホの元の写真で」。
- 元の品質で:リサイズしたり「メール用サイズ」で書き出したり、チャットから保存したコピーを送ったりせず、写真ライブラリやカメラのフォルダから直接アップロードしてもらいます。選択肢は「iPhoneから大きいファイルを送る方法」で解説しています。
- ファイル名のルール:例えば「姓_書類名_日付」。ファイルが増えたときに何時間も節約できます。
- 案件ごとにリクエストを分ける:プロジェクトごとに別のリンクにすれば、取引先のファイルが混ざりません。
- 締め切り:その日でリンクが期限切れになるよう設定すれば、遅れて届いたファイルが古い案件に紛れ込みません。
そのまま使える依頼文の例
山田様、制作を始めるにあたり、元の写真データとロゴのデータをお送りいただけますでしょうか。こちらのリンクから、登録なしでアップロードいただけます:[リンク]。写真はスクリーンショットやLINEで受け取ったものではなく元のファイルを、ロゴはSVGまたはAIがあればそちらでお願いいたします。リンクは金曜日まで有効です。よろしくお願いいたします。
短く具体的に、締め切りとファイル形式をわかりやすい言葉で伝えるのがコツです。機密性の高いファイルなら、パスワードはSMSなど別のメッセージで送りましょう。
機密書類を受け取るときの注意点
税理士、弁護士、人事担当者、不動産会社は、本人確認書類、給与明細、契約書を受け取ります。こうした書類では、手軽さと同じくらい受け取り方が重要です。
- パスワード付きのリクエストにして、パスワードは別の手段で伝える。
- 短い有効期限と受付件数の上限を設定し、何か月もたってからリンクが再利用されないようにする。
- ファイルは自社の安全な保存先にダウンロードし、メールの受信箱やチャットの履歴に残さない。
- 個人情報を扱う場合は、ファイルがどこに保存されるかも確認する。考え方は「個人情報を含むファイルの送付」で解説しています。
保護機能の詳細は「大容量ファイルを受け取る」に、その他の注意点は「ファイルを安全に送るためのチェックリスト」にまとめています。
職業別のファイルの受け取り方
| 職業 | よく受け取るファイル | コツ |
|---|---|---|
| フォトグラファー・レタッチャー | RAWデータ、セレクト、参考画像 | チャットのコピーではなく元データを頼む |
| 動画編集者 | 撮影素材、音楽、ロゴ | 撮影日ごとにリクエストを分ける |
| デザイナー・制作会社 | ブランド素材、原稿、商品写真 | 受け付けるベクター形式を明記する |
| 税理士・会計事務所 | 請求書、明細、給与明細 | パスワードと短い有効期限 |
| 建築家・設計事務所 | 図面、測量データ、現場写真 | DWGかPDFかを指定する |
| 教員 | 課題、動画、ポートフォリオ | クラスと締め切りごとにリクエストを作る |
職業ごとの流れは、フリーランス、制作会社、映像制作者向けのページをご覧ください。
イベントやスマホでファイルを集める
ファイルリクエストのリンクはスマホのブラウザでも使えるので、仕事以外の場面でも役立ちます。結婚式のあとにゲストが写真をアップロードしたり、ワークショップの参加者が動画を送ったり、学生が課題を提出したり。リクエストのQRコードをカードやスライドに印刷すれば、参加者はスマホのギャラリーから直接アップロードできます。スクリーンショットやチャットのコピーではなくギャラリーから写真を選んでもらえば、元の画質で受け取れます。
反対に、相手がギガファイル便などの転送サービスで送ってきた場合は、届いたURLを開いて保存期限内にダウンロードするだけです。受け取ったらすぐに自分の保存先へ移しておくと、期限切れで開けなくなる心配がありません。
受け取ったファイルを整理する
受け取るのは仕事の半分にすぎません。ダウンロードしたファイルをどこに置くか、あらかじめ決めておきましょう。取引先名と日付を付けたプロジェクトフォルダ、チームの共有ドライブ、編集ソフトの読み込み用フォルダなどです。不要になったファイル、特に個人の書類は削除し、案件が終わったらリクエストを閉じるか期限切れにします。完成した成果物は、同じ場所から転送リンクで返せば受け渡しもすっきりします。
よくある失敗
- 数点のファイルを集めるために、クラウドのフォルダ全体を編集権限付きで共有する。
- チャットアプリでファイルを受け取る:画質が落ちることがあり、会話の中に埋もれてしまいます。
- すべてに同じ常設リンクを使い回す:取引先のファイルが混ざり、いつまでも開いたままになります。
- 受け取りの連絡を忘れる:「すべて受け取りました、ありがとうございます」のひと言で、二重のアップロードを防げます。